業務を効率化するために無駄の見える化を!

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業務を効率化するために無駄の見える化を!

業務を効率化するために無駄をなくせ!としきりに言われる昨今ですが、では何が無駄なのかと問われると明確な答えを出すことができないことが多いものです。
そこでまず無駄とは何かを知り、それから無駄を見える化して行くことが必要です。まずはたとえ話から無駄というものを考えてみたいと思います。

 

同じ幅の橋を渡る

同じ幅の橋を渡る

橋を渡ると自分が落ちるかもしれないというリスクがあります。しかし、幅があればあるほど、そのリスクは軽減します。そこでこんなモデルを考えてみましょう。

ある断崖に100m幅で100mの長さのある橋を掛けるとします。その橋に2本の線を1m幅で引き、その線からはみ出ないように歩くという企画があったとします。体操の平均台の幅は10cm、畳の幅は約90cmです。そう考えると、幅が1mもあれば普通なら楽々歩けますよね。

しかし橋の幅そのものが1mだったらどうでしょうか。ほとんどの人はとても恐ろしくて渡れなくなるでしょう。やることは同じです。幅が1mのところを100m歩くだけです。それなのにどうして、こんな違いが出るのでしょうか。

それはリスクが違うからです。幅が1mでは万が一、足を踏み外したら命の危険さえあります。線ならはみ出ても具体的に何かが起こるわけではありません。この危険リスクをなくすために、橋の幅がどうしても必要なのです。

 

リスクとコスト

リスクとコスト

さて、次は橋の幅の話です。先ほどは端の幅を100mとしました。それは広すぎると思った人も多いことでしょう。では半分の50mにしてみます。先ほどと同様、線の幅は1m。これでも誰もが難なく渡れるはずです。半分にしたのにどうして難なく渡れてしまうのでしょう。それは落下するリスクは変わっていないからです。

もうお分かりかもしれませんが、橋の幅100mから50mまでの分、これが「無駄」というものです。50mも余分に幅のある橋を架ければ、工期も建築コストも増大します。落下のリスクを回避するために、無駄なコストを払ったことになるわけです。

では50mが最適なのかと言うと、それはおそらく違うでしょう。40mでも良いのではないでしょうか。では35mならどうでしょう。23mなら……。無駄というものは最初から明確に分かることは少ないのです。この橋の例のように、幅を狭くして実際に歩くということを何度も繰り返し、多くのデータを取らなければなりません。その結果ようやく「ああ、この幅までは大丈夫なんだ」ということが実証できるものなのです。

もちろんこれはたとえ話です。橋の長さを客先のニーズ(要求機能)、橋の建築費が生産コスト、橋の幅の50mから100mの間が過剰品質という無駄で、1m以下は不良という無駄。そう考えると分かりやすくなるのではないでしょうか。

 

無駄の見える化

この例のように、無駄というものは100mのうちは見つけることもできますが、30mを切る辺りから難しくなってきます。そのため、「それは無駄だ」という経営者側と、「いや、これは必要なコストです」という労働者側の意見がぶつかることは、多々あること。言い争っていても何も変わりませんので、この無駄を数値化することを考えるべきです。

そのような手法が、IE(Industrial Engineering)に存在します。

 

ワークサンプリング法

ワークサンプリング法

ワークサンプリング法という手法があります。この手法の進め方は以下の通りです。

・ワークサンプリングは、定点観測です。
・まず調査する作業の工程をもれなく洗い出します。作業の工程だけでなくトイレ休憩、手待ちなども入れてください。
・エクセルのワークシートのような形の表を作成し、工程を縦軸に並べて記入します。
・次に横軸に観察する時間を入れます。これは乱数表を使い、観察するのに必要な時間を考慮して決めます。
例えば、8:45 8:52 9:11 9:25 9:44 10:01 10:17…という感じです。同じ工程なら毎回乱数表を使って観測時間を変える必要はありません。経験則では、観察時間は自分で決めても問題はないとされています。表ができれば準備は完了です。
・観察者は、調べる工程の作業者にべったり貼り付きます。
・そして表にある時間が来たら(例えば8:45になったら)、作業者がその瞬間に何をしていたかを横軸から選んでチェックを入れます。
・次の8:52にも同じことを行い、それをずっと繰り返します。
・トータルの時間を半日とするか1日とするかなどは、社内の話し合って決めてください。

このようにして取得したデータを、エクセルなどの表計算に入れて集計します。そうするといろいろなことが明らかになるのですが、その中でも最も重要なものは「仕事率」です。

事務なら伝票処理、電話対応、データ入力などが本来の仕事ですが、それ以外のことをしている時間が実際にはいろいろあります。来客者の対応、ゴミ捨て、掃除、手待ち、パソコンや設備のリセット、雑談やトイレ・タバコ休憩などもあるでしょう。

本来やるべき業務を全体の観測回数で割って100倍すると、仕事率が算出できます。仕事律が70%ならば、30%が「無駄」なことをしているということになります。もちろん100%になることはありませんし、80%であれば相当優秀な方だと言えます。(ただしそれは工程によります。)

 

業務の効率化のために

このようにデータを取得するといろいろなことが見えてきます。例えば似たような工程なのに作業者間で差があるようなら、そこには改善できる無駄が確実に隠れています。また占有時間の長い工程は、工数削減ができる可能性があることを意味します。

こうして「無駄」を数値化すれば、誰にでも改善しなければならないということがはっきり見えますので、不毛な言い争いをする必要がなくなります。データを取得するのは大変ですが、活用する価値のある手法と言えます。

ただしワークサンプリング法は、会議や思考的業務(技術開発、新製品の設計、文章作成など)には向きません。事務や生産ライン、スーパーのレジなど、ある程度同じ業務を繰り返す作業の分析・改善に向く手法ですのでご注意ください。

 

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