メンタルヘルス・マネジメントとはどんな制度?

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メンタルヘルス・マネジメントとはどんな制度?

ほんの少し前のことです。大手広告会社の女性新入社員が自殺するという、大変痛ましい事件がありました。その原因についていろいろ取り沙汰されてはいますが、本当のところは本人にしかわからないでしょう。しかし、彼女の残したいくつかのツイートを見るにつれて、どこかで誰かが何かできなかったのか、そんな想いに駆られます。メンタルヘルス・マネジメントとは、まさしく彼女のような人を出さないために考案されたシステムです。

 

1. メンタルヘルスとは

メンタルヘルスとは、一言で言うと心の健康のこと

メンタルヘルスとは、一言で言うと心の健康のことです。世界保健機関(WHO)では、これを基本的人権の一つとして捉え、それを最大限に受容する権利として精神保健法を制定しました。精神疾患が労働生産性にもたらす損失は大きく、OECD(経済協力開発機構)は精神的健康に関する直接的・間接的コストは、GDPの4%にも達すると試算しています。

 

2. 心の健康管理の必要性

メンタルヘルス・マネジメント

企業が社員に健全な就業生活を送ってもらうために、組織としてどう取り組めば良いのか、心の健康をどのように管理すれば良いのか、ということを考える必要があります。また、ストレスによる不調・休職などの事態が起こった場合に、どういったケアをして行けば良いのか、といったことを管理することも必要になるでしょう。

当然ながらそのようなことできる人材は滅多にいるものではありません。大企業ならともかく一般的規模の会社で、心療内科医や臨床心理士などの専門家を確保することは困難であることが正直なところ。そこで専門家のような高度な技術・技能ではなく、精神疾患の予防をメインとして、専門家との連携ができる基礎知識を身につけるための制度が作られました。それがメンタルヘルス・マネジメントです。

 

3. メンタルヘルス・マネジメント検定とは

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定という検定試験があります。これは、メンタルヘルス・マネジメントを実施するのに必要な、基礎知識があるかどうかを確認する検定試験です。2006年に大阪の商工会議所が始めました。現段階では心理関係の国家資格試験は一つもありませんので、数少ない公的機関の実施する検定試験となっています。学歴や年齢などの制限なく受験できますが、3つのコースがあり、部下を持つマネージャークラスや経営者、人事労務関連の方々にはぜひ受けていただきたい試験と言えるでしょう。

 

●3つのコース

・Ⅰ種マスターコース:社内のメンタルヘルス対策の推進
・Ⅱ種ラインケアコース:部門内、上司として部下のメンタルヘルス対策の推進
・Ⅲ種セルフケアコース:組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進

 

4. 最後に

労働安全衛生法が改正され、2015年12月より毎年1回、会社でのストレスチェックの実施と、労基署への報告が義務化されました。それから1年と経たないうちにあの事件でした。この会社は1991年にも入社2年目の男性社員を過労自殺で失っており、東京労働局は本社のみならず支店にまで調査の手を広げ、厚生労働省としても異例の対応を行っています。有望な人材を失い、社会的地位も信用も失い、株価は下がり、その被害額は相当なものになるでしょう。メンタルヘルス・マネジメントを正しく行っていたら、会社も、自殺した方やそのご家族も救われたかもしれない、それを思うと悔やまれる事件でした。

 

5. まとめ

・メンタルヘルスとは
心の健康のこと。WHOでは基本的人権の一つと捉えている。

・メンタルヘルス・マネジメント
心の健康を管理すること。診断・治療ではなく予防処置を取ることをメインに考える。

・メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメントを実施するに当たり、最低限の基礎知識を身につけるための公的検定試験。内容によって3つのコースが用意されている。

 

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