Coach(コーチ)の意味から分かるコーチングとティーチングの違いとは?

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Coach(コーチ)の意味から分かるコーチングとティーチングの違いとは?

『SLAM DUNK』では安西先生、古くは『エースを狙え』で岡ひろみをしごいた宗像仁、『キャプテン翼』ではロベルト本郷、『おおきく振りかぶって』ではモモカンと、昔も今もスポーツの物語には、主人公を正しい道へと導くコーチが必須です。スポーツが論理化・複雑化する一方の現代スポーツでは、教えるコーチの方が主役ではないかと思えるほど、重要な役割を担っています。さてそのコーチが、ビジネスの分野でもホットな話題を集めていることをご存じでしょうか?

 

コーチの意味・語源

コーチの意味・語源

ハンガリーに「Kocsi」という町があります。ここで最初に四輪馬車が作られたため、町の名がそのまま馬車の名前となりました。それがイギリスに渡り現在の「coach」となります。コーチとは、元々は馬車の名前だったのです。

それが現代のような意味になるのは19世紀になってからです。人を目的地に運ぶという意味から転じて、人を指導するという意味を持つようになりました。多少うがった見方をしますと、当時のイギリスでは教師が鞭を持って指導することが当たり前だったので、生徒を馬に例えたという側面も強かったと思われます。

やがてコーチはアメリカに渡り、いつしかスポーツの指導をする人のことを指すようになりました。日本にベースボールともども入ってきたのはその後です。かつてのスポ根ブーム時代には、やたら厳しいコーチが描かれました。そんなことからもコーチという言葉の裏にある鞭が見え隠れしますね。

 

ティーチング

ティーチング

かつてのビジネスでの社員教育と言えば、研修会・講習会と相場が決まっていました。知識を伝える方式です。そこには責任もなければ成果も求められない、比較的緩い教育です。これはティーチングと呼ばれています。

2014年にテレビのインタビューに答えて、ボビー・オロゴン氏がこう語ったことがありました。「アフリカに援助するなら、魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えてくれ」と。これは老子の言葉(諸説あり)ですが、魚をもらっても1日で食べ終わってしまいますが、取り方を教われば一生それで食べて行けるという意味の言葉です。これもティーチングです。間違ったことをしているわけではありませんが、この教育法に行き詰まりを感じる人たちがいました。

 

コーチング

それは1990年のアメリカ企業でした。従来の社員教育に行き詰まりを感じた彼らは、新しい教育について考えた末、ひとつの結論にたどり着きました。それがコーチングです。誰かが始めたというわけではなく、社会のニーズとしてこの手法が浮かび上がりました従来型の専門知識や技能を、受け手に伝えるだけの教育から、受け手に自分で考えさせるように指導する教育でした。問題解決にはどうすれば良いか、改善するのはどうしたらいいのか。ああしろこうしろと言うのではなく、「対話を通じて」自分で考えさせる。そのような教育がされるようになりました。それがコーチングです。

先ほどの魚釣りの話を例に取りますと、釣り方を教えても釣る場所が変わったら釣ることができなくなります。川では釣れても海では釣れないかもしれません。竿が折れた時にはどうするのか、糸はどうやって入手するのか、針はもっと工夫できるのではないか。また魚の種類によって、アタリやアワセのタイミングが違いますし、エサも違います。それらをどうやって覚えればよいのでしょうか。

釣り方を教えただけでは、少し状況が変わった途端に釣ることができなくなります。そのときのために、魚がなぜエサに飛びつくのか、警戒しているときはどういう行動を取るのか、どうしたらたくさん釣れるのか。そのようなことを自分で考えさせ、理解させることが必要です。それができていれば、あらゆる場面で対応できるようになります。それこそ生涯食べてゆける技能となるでしょう。コーチングにはそれだけの力があるのです。

 

ビジネスアスリートへ

ビジネスアスリートへ

今では、コーチングの専門家が存在します。まだ公的機関ではないためカリキュラムは統一されていませんが、コーチング資格を取り扱うところは年々増えています。社会が求めている証左でしょう。ビジネスマンからビジネスパーソンへ、そしてビジネスアスリートへと人生を転換させるのに、必要な技能のひとつと認知される日も遠くないようです。

 

まとめ

コーチの語源は馬車でしたが、やがてアメリカに渡り、今のような指導者という意味になりました。最初はスポーツの世界でコーチが誕生し、それがビジネスの世界にまで波及した結果、知識や技能を伝えるティーチングが生まれました。

しかしやがてそれでは不十分だと認識した企業は、教えるだけではなくもう一歩進んで、受け手に問題解決方法を考えさせるという指導法を見い出しました。それがコーチングです。昨今ではコーチングの技術を学ぶ人が増えてきており、ビジネスアスリートとしての一つの技能として認知される日が来るかもしれません。

 

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